素読の歴史と音読との違い
素読は声を出して本を読む音読の一種です。音読は大きくわけると、素読と朗読のふたつにわけられます。
朗読は読み手が意味を理解したうえで、登場人物の心の動きもふくめて物語の内容が聞き手に伝わるように読みます。読み聞かせなどは朗読に近いカテゴリーです。
これに対して素読は誰かに聞かせるために読むわけではありません。あくまで自分自身のために声を出して本を読みます。その際、意味を理解する必要はありません。
素読ではあくまでも声を出すこと、音を音としてそのまま読むのが大きな特徴です。英語を学ぶときに、最初は声を出して音読しますよね。その感覚にかぎりなく近いと思ってください。
素読の歴史をかいつまんでご説明すると、江戸時代では藩校はもちろん、庶民を対象とした寺子屋などの国語教育の主軸でしたが、第二次世界大戦後、日本の国語教育が軽視されるとともに、素読も消えてゆきました。ところが近年、地頭を鍛える方法として素読の良さが見直されつつあります。
また東北大学の川島隆太教授らの研究により、素読を含む音読は脳の前頭前野(思考・コミュニケーション・感情抑制)を活性化させることが実証されています。
素読では声をだして古事記や論語、万葉集などの古典を読むことで、語彙力が増え、読解力が身につきます。国語はもちろん、すべての勉強の基礎になるのがこの読解力です。
