素読の前に“からだを整える”理由 ― フェルデンクライスとハイハイの効果
ぶんじ寺子屋では素読で声を出す前に、遊びながら身体を動かすフェルデンクライスメソッドの時間を取っています。
フェルデンクライスメソッドは物理学者でもあり柔道愛好家でもあったモーシェ・フェルデンクライス博士が体系化したプログラムで、ゆっくりした動きで脳と身体の気づきを促し、すべての動作の基本的なパフォーマンスを上げるもっとも基礎的な身体の使い方を向上させる方法です。
歩く、座る、掃除をするなどの日常的な動作。
踊りやスノーボード、ダイビング、格闘技などのスポーツ。
四十肩やぎっくり腰など、肉体に不調を抱えている際の楽な体の使い方。
そして負担をかけずに、子どもの自然な身体の使い方をゆるやかに促すのにも最適です。
ぶんじ寺子屋では、このフェルデンクライスメソッドの考え方をベースに、素読の前に畳の上をごろごろ転がったり、ハイハイ遊びをして体を動かします。
素読の前に身体を動かすことで、
・緊張がほぐれ、声が出やすくなる。
・身体の感覚に意識が向くので、集中モードにはいりやすい。
・呼吸が整い、音読の声量とリズムが安定する。
といった流れが自然に生まれます。
もちろんスポーツクラブと違って、遊びながらほんの10分ほど体を動かすだけですし、身体を動かす目的は素読のための集中力を高めることなので、身体的に大きな効果は期待できません。
それでも子どもたちが転がる動きやハイハイの動きの気持ちよさを感じて持ち帰ってくれれば、ご自宅で遊びの中で自然に転がったり、ハイハイごっこをするかもしれません。もしそんな動きをしていたら、暖かい目でお子さまの行動を見守ってあげてください。
寺子屋でやるひとつひとつの動きには意味があるのですが、ここではなぜハイハイの動きを取り入れるのかについてお話ししましょう。
人間の子どもは乳幼児期にじゅうぶんにハイハイをすることで広背筋が発達して、頭を支えることができるようになります。
ところが最近は住宅事情の影響もあって、乳幼児期にハイハイをしないまま、つかまり立ちをしてしまう子どもが増えています。すると広背筋がじゅうぶんに発達しないため、姿勢が悪くなったり、呼吸が浅くなって集中力が低くなりがちです。
最近は落ち着きがない、集中力がないという悩みをよく耳にしますが、こうした事情も要因のひとつかもしれません。
遊びながらのハイハイの動きは広背筋に刺激をあたえ、この状態を緩やかに改善する方向へと促します。
