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素読の効果

素読の効果

なぜ素読で地頭が良くなるのか──語彙力・読解力・質問力が育つ理由

 子どもの「地頭をよくしたい」「国語力を伸ばしたい」と願う保護者のあいだで、近年あらためて注目されているのが 素読 です。 昔ながらの学びのように見えますが、実は最新の脳科学でもその効果が裏づけられ、語彙力・読解力・思考力といった“学びの土台”を育てる方法として高く評価されています。

 では、なぜ素読を続けるだけで、子どもの理解力や質問力、自律性まで育っていくのでしょう。 「読むだけ」で起こる変化には、しっかりとした理由があります。

 本記事では、素読がもたらす具体的な効果を、語彙力・読解力・質問力・思考力・情緒の安定といった観点からわかりやすく解説していきます。 幼少期からの素読が、子どもの一生にどのような力を残していくのか──その本質に触れてみてください。

 

目次

語彙力が上がる

 素読をすることで、まず語彙力が上がります。
 語彙力とは知っている単語の量と、それを使いわける能力のことです。語彙力が高いと、相手や状況に合わせて適切に言葉を選ぶことができます。

 結果的に自分の伝えたい内容を正確に相手に伝えることができるため、相手とより良いコミュニケーションをとれるようになります。

 とくに日本語は微妙なニュアンスをあらわす言葉がたくさんあります。これらの言葉を上手に使いわけて、より正確に自分の言いたいことを伝えるためには、語彙力を上げることが重要になってきます。

 では語彙力を上げるにはどうしたらいいのでしょう?

 それはできるだけ多くの言葉に触れることです。
 幼児期や小学生の頃に素読をすることで、たくさんの言葉がインプットされます。

 読んだときは意味が分からなくても大丈夫です。子どもは好奇心旺盛なので、こちらが無理に教えようとしなくても、「これ、どういう意味?」と、自分から訊いてきます。そのときに教えてあげることが重要です。

 またインプットするタイミングと意味を理解するタイミングにはズレがあります。幼児期は大量のインプットが可能な時期であり、発音そのものが楽しい時期でもあります。

読解力がつく

 素読の効果として、次に読解力がつきます。
 読解力とは文章や図表を正確に読み取り、論理的に解釈して内容を理解する能力のことです。

 ただ字面を追うのではなく、文章の行間を読み、背景を理解したうえで、作者が伝えようとしていることは何なのか理解する能力が読解力です。

 たとえば算数の文章問題を解くときに、なにを求められているのか理解できなければ問題を解くことはできません。ここでも読解力の有無が重要になってきます。すべての教科において、読解力が重要なのは言うまでもありません。

 この読解力をつけるベースが語彙力の高さなのです。

 なにかを考えたり、理解しようとするとき、日本人は日本語で考えます。語彙力が高いということは、考える材料がたくさんあるということなのです。語彙力はいわば脳の中のデータベースのようなものですね。

 わたしたちは目の前の文章を読むとき、自分の脳内のデータベースにアクセスして内容を理解します。

 これは本だけではなく、ひととのコミュニケーションにおいても同様です。相手の話を聴きながら、相手の言葉の背景や行間を読んで、相手が伝えようとしている事象や思いを理解するわけです。

 またおとなになると、会議やさまざまな場面で自分の意見を発信することも多くなります。そのとき自分の脳内のデータベースができていれば、自分の言葉で正確に発信することができます。

質問力がつく

 素読の効果として、もうひとつ重要なのは質問力がつくことです。
 これからの時代はますますAIが発達して、AIを使いこなせないホワイトカラーの仕事がなくなっていくと言われています。

 AIを使いこなすには質問力(プロンプト)が必須です。この質問力のベースが語彙力と読解力です。

 どういうことか説明しましょう。

 読解力がつくと、頭の中の情報を整理することができるようになります。

 すると脳内で、これは「わかった」、これは「わからない」という仕訳をして、「わからない」ことをリストアップできます。そのうえで適切な質問をすることで、AIはより正確な情報を出してくるので、さらに議論や理解が深まってゆきます。

自分の頭で考える力がつく

 ここまでくると、情報を鵜吞みにするのではなく、ひとつひとつの情報を精査しつつ、物事をさまざまな角度から俯瞰してみることができるようになります。これは長年素読を続けることの大きな効果です。

自律したおとなになる

 自律とは、自分の価値基準や判断基準にしたがって主体的に生きることです。

 語彙力や読解力といった情報受信能力や情報を精査する能力が育っていくと、視野が広がり、自分自身への理解度も上がります。それは言葉を通して、世界を見通す解像度が上がるからです。

 自分にとって好きなこと、嫌いなこと、将来への夢や希望を見つけ、そのために必要なプロセスを見つけ、主体的に取り組む能力も上がります。これが最大の素読の効果かもしれません。

 また東北大学の川島隆太教授らの研究により、素読を含む音読は思考・コミュニケーション・感情抑制を司る前頭前野を活性化させることが実証されています。このことから一時の感情に左右される行動が減り、情緒が安定して、自分を律する能力が育ってゆきます。

まとめ

 素読の効果について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
 子どもの頃から素読に親しむことで、以下の3つの効果が期待できます。

 1,語彙力と読解力がついて地頭が良くなる
 2、少しずつ自律する力が育つ
 3,情緒が安定する

 人生という長いスパンでみたときに、幼少期から安心できる環境で素読に親しむことは子どもにとって大きな意味を持ちます。もちろん一朝一夕で結果が出るわけではありませんが、親から子どもへ、時代を超えた贈り物なのかもしれません。

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